Q.不安神経症はどんな病気ですか?
A.不安神経症とは、不安発作・予期不安・動悸・めまい・呼吸困難・胸部圧迫感・発汗・蹴り・頻尿などを症状とする神経症です。最近では不安障害とも呼ばれます。
Q.不安神経症ではどのような症状がみられますか?
A.不安は、ある程度持続する場合もあるし、発作的に不安が強まる場合もあります。発作時には動悸、息苦しさ、発汗めまい、吐き気、震えなどの症状が表れて「死んでしまうのではないか」「気が狂ってしまうのではないか」などの恐怖心にさらされます。そして「また不安が起こるのではないか」といった“予期不安”が起こります。
Q.不安発作とはどのようなものですか?
A.突然、狭心症を思わすような発作が起きるのですから、その驚きは想像を絶するものがあります。じっとしていれば、たいていは5分くらいで治まるものなのですが、このままどうなってしまうんだろう、心臓発作か、死ぬんじゃないかという恐怖を感じたままの5分ですから、非常に長く、耐え難いものです。
Q.どのような人がなりやすいと考えられていますか?
A.内向的、小心、心配性、完全主義などの特徴をもつ神経質性格は、その代表的なものです。また、環境的要因も神経症の発症にかかわりがあります。
Q.原因としてはどのようなことが考えられていますか?
A.神経症になりやすい性格や素質に加えて、環境の変化、ストレスなどにより発症すると考えられています。またセロトニンという神経伝達物質の不足があげられます。このセロトニンが不足すると、マイナスの感情、すなわち不安、恐怖が発生しやすくなります。
Q.どの位の人が発病するのでしょうか?
A.不安障害はこころの障害のうちでも最も頻度の高いもので、一般的に人口の10%を超えるとも言われています。年齢的には、10代後半から40代までに発症するのが普通です。
Q.不安神経症を疑ったらどうしたらよいのですか?
A.神経症を持ったまま生活していくのはとても辛いことです。心当たりのある場合は、専門家に相談するのが良いでしょう。医師ではなくてもカウンセラーに相談してもよいでしょう。あるいは、少しお薬をのんだほうがよいというかもしれません
Q.不安神経症にはどのような治療がありますか?
A.不安神経症の治療の中心は、精神療法と薬物療法です。薬物療法としては、最近はSSRIが中心となっており、副作用が少ないため長期間でも安心して服用できます。精神療法としては認知行動療法を行います。誤った不適応的な考えを見つけて、現実的・客観的に否定して適切な考えに置き換える‘認知再構成’が中心に行なわれます。認知行動療法は患者様ご自身の努力がもとめられるため、治療者との信頼関係と高いモチベーションが必要となります。