対象が明確でない漠然とした恐れの感情による不安発作が起こります。不安発作には、動悸・呼吸困難・発汗・めまいなどがあり、死の恐怖に見舞われることもあります。また、不安発作の再発を恐れる予期不安に見舞われることもあります。

心臓がドキドキする
めまい、ふらつき、汗があふれでる
手足や体のふるえ
息切れ、息苦しさ、ハーハー息をする
息がつまる、窒息する
胸(心臓)が痛い、苦しい、圧迫される
吐き気、腹部の不快感
手足や体のしびれやうずき
現実でない感じ、自分でない感じ
気が変になるのではないかという恐怖
死の恐怖

以上のうち4項目以上の症状が出現する方はできるだけ早く専門家に相談しましょう。
不安神経症  Q&A
Q.不安神経症はどんな病気ですか?
A.不安神経症とは、不安発作・予期不安・動悸・めまい・呼吸困難・胸部圧迫感・発汗・蹴り・頻尿などを症状とする神経症です。最近では不安障害とも呼ばれます。
Q.不安神経症ではどのような症状がみられますか?
A.不安は、ある程度持続する場合もあるし、発作的に不安が強まる場合もあります。発作時には動悸、息苦しさ、発汗めまい、吐き気、震えなどの症状が表れて「死んでしまうのではないか」「気が狂ってしまうのではないか」などの恐怖心にさらされます。そして「また不安が起こるのではないか」といった“予期不安”が起こります。
Q.不安発作とはどのようなものですか?
A.突然、狭心症を思わすような発作が起きるのですから、その驚きは想像を絶するものがあります。じっとしていれば、たいていは5分くらいで治まるものなのですが、このままどうなってしまうんだろう、心臓発作か、死ぬんじゃないかという恐怖を感じたままの5分ですから、非常に長く、耐え難いものです。
Q.どのような人がなりやすいと考えられていますか?
A.内向的、小心、心配性、完全主義などの特徴をもつ神経質性格は、その代表的なものです。また、環境的要因も神経症の発症にかかわりがあります。
Q.原因としてはどのようなことが考えられていますか?
A.神経症になりやすい性格や素質に加えて、環境の変化、ストレスなどにより発症すると考えられています。またセロトニンという神経伝達物質の不足があげられます。このセロトニンが不足すると、マイナスの感情、すなわち不安、恐怖が発生しやすくなります。
Q.どの位の人が発病するのでしょうか?
A.不安障害はこころの障害のうちでも最も頻度の高いもので、一般的に人口の10%を超えるとも言われています。年齢的には、10代後半から40代までに発症するのが普通です。
Q.不安神経症を疑ったらどうしたらよいのですか?
A.神経症を持ったまま生活していくのはとても辛いことです。心当たりのある場合は、専門家に相談するのが良いでしょう。医師ではなくてもカウンセラーに相談してもよいでしょう。あるいは、少しお薬をのんだほうがよいというかもしれません
Q.不安神経症にはどのような治療がありますか?
A.不安神経症の治療の中心は、精神療法と薬物療法です。薬物療法としては、最近はSSRIが中心となっており、副作用が少ないため長期間でも安心して服用できます。精神療法としては認知行動療法を行います。誤った不適応的な考えを見つけて、現実的・客観的に否定して適切な考えに置き換える‘認知再構成’が中心に行なわれます。認知行動療法は患者様ご自身の努力がもとめられるため、治療者との信頼関係と高いモチベーションが必要となります。