深い悲しみを感じたり、気分が落ち込んでしまう、そんな状態から、自分ひとりの力では、なかなか抜け出す事ができず、日常生活に支障をきた してしまう状態です。

気分が沈んで憂うつである
泣きたい気持ちになる
夜良く眠れない
動悸がする
食欲が落ちている
判断力や思考力が低下している
手慣れた仕事も簡単にできない
将来を暗く考える
物事に対する興味が湧かない
毎日の生活に充実感がない
わけもなく疲れたような感じがする
自分が役に立つ人間だと思えない
仕事にとりかかる気になれない
死への思いが出るようになった

以上のうち4項目以上の症状が出現する方はできるだけ早く専門家に相談しましょう。
うつ病  Q&A
Q.うつ病は増えているとききますが、本当ですか?
A.日本では、一般内科を受診する人の少なくとも5〜6%が、うつ病圏の患者であると推定されています。
Q.うつ病と単なる落ち込みとでは,どう違うのですか?
A.うつ病では身体的症状を伴い,症状が持続することが特徴です。
Q.うつ病になりやすいのは,どんな人ですか?
A.責任感が強く,真面目に頑張るタイプに多くみられます。
Q.うつ病の精神症状にはどのようなものがありますか?
A.「憂うつ感」「不安感」「おっくうさ」が主なものです。
Q.うつ病の身体症状にはどのようなものがありますか?
A.睡眠障害や食欲低下頭痛あるいは頭重感、目のかすみ、めまい、耳鳴り、口の渇き、肩こり、動悸、息苦しさ、胸の圧迫感、腹部膨満感、便秘、下痢、頻尿、月経不順、性欲の低下、四肢の冷感、しびれ、発汗など、数え上げたら切りがないほどです。
Q.うつ病と躁うつ病のちがいは?
A.憂うつ感、不安感、おっくうさや様々な身体症状などが存在する状態が、続くことを、うつ病エピソードと言います。逆に、気分が高揚して朗らかになり、おしゃべりが止まらなくなったり、電話をかけまくったり、浪費がすぎたりなど、歯止めがかからなくなる状態が続くことを躁病エピソードと言います
Q.うつ病の原因は?
A.過労や家庭内のトラブルなどのストレスが続いたり、状況変化が起きたりしたことがきっかけとなり、脳の中の神経伝達物質の一部の働きが低下して、うつ病が起こるというものです
Q.うつ病になりやすい性格はありますか?
A.仕事熱心、几帳面、完全主義、責任感が強いという性格の人です。ふだんからまじめで熱心なこれらの性格の人たちは、割り切ることができません。能率の悪さを努力でおぎなおうと、ますますがんばります。疲れても彼らの頭の中には「休む」という言葉がないので、疲労の限界を超えてがんばり続けてしまいます。そしてとうとううつ病を発症してしまうのです
Q.精神病とは違うのですね。
A.躁でもうつでもないときは、ごく普通の生活を送っています。社会的にはむしろ適応の良い人が多いくらいです。
Q.精神病とはどう違うのですか。
A.躁うつ病は基本的には、生命的なエネルギーが高まったり低下したりすることが根底にあり、それがおさまれば普段とまったく変わらないという特徴があります。ただし、うつ状態、躁状態には、妄想のような精神病症状がまれに見られることもあります。
Q.うつ病にならないために、ふだんどんなことに気をつけたらよいのでしょうか
A.過労や家庭内のトラブルなどのストレスを、できるだけ少なくすることが大切です。また、状況変化も少ないにこしたことはありません。しかし、現代社会で様々なストレスや状況変化を避けて生きていくのは困難です。カウンセリングなどをうけてストレスや変化に対応できる人格づくりをしておくとよいでしょう
Q.うつ病になってしまったら、どうしたらよいのですか?
A.まず、何よりも強調したいことは、うつ病は治る、ということです。心療内科やクリニックでは、治療の中心となる抗うつ薬など薬の処方のほか、十分な休養がとれるように、家族にアドバイスしたり、職場と連絡を取ったり、あるいは、カウンセリングなどでうつ病になりやすい性格についていっしょに考えたり、など様々な相談にのっています。
Q.うつ病の治療法について教えてください。
A.うつ病の治療の中心は、休養と薬物療法です。カウンセリングなど精神療法で再発予防をしておくことも大切です
Q.家族や友人がうつ病になったときには、どのように接したらいいですか?
A.患者さんの多くは、うつ病を単なる疲労の結果と考えたり、努力が不十分なためにこうなったと考え、自分を責めて苦しんでいます。まずは病気であることを理解してあげることが、何より大切です。患者さんを励ますことは、患者さんの自分を責める気持ちを強めるので禁物です。「がんばれ」と言われてもがんばれないのがうつ病なのです。また、彼らはくがまじめで仕事熱心なため、休息するのが苦手です。仕事患者さんが十分に休養できるように配慮してあげることも大切です。
Q.うつ病の薬を使うと,一生薬に頼って生きていかなければならないようで不安です?
A.薬物依存を起こすことはありません。
Q.副作用が心配です。うつ病の治療薬には,どんな副作用がありますか?
A.吐き気,胃のもたれ,眠気など。服用を続けると自然におさまります。
Q.かかりつけの内科で紹介された精神科に通院していますが,あまり話をきいてくれず,診察のたびに落ち込んでしまいます。医者を変えたほうがいいのでしょうか?
A.どうしても信頼関係ができなければ医者を変えるのも一つの方法です。
Q.治療を始めて,一時的によくなったように感じましたが,また悪くなってきました。治療法が間違っているのでしょうか?
A.通常のパターンです。焦らず,じっくり治療を続けましょう。
Q.日常生活ではどんなことに注意すればよいですか?
A.うつ病になったら頑張らないことです。抱えている仕事を人に任せ、充分に体を休めて下さい。気分転換に旅行やレジャー施設に出かけるのも控えた方がよいでしょう。また、うつ病のときは注意力や決断力が損なわれていますから、重要な決断は先送りにしましょう。引っ越しや退職を決めないで下さい。
Q.うつ病の予防法は?
A.うつ病は、脳の機能障害として起こってくることや、慢性的な過労、強いストレスなどの環境要因によって起こってくることが考えられます。うつ病になる人の多くは、いつも全力投球で頑張り、完璧にこなそうとする傾向があります。「完璧を目指さない生活」を心がけるゆとりを持ちましょう。周囲の人からも適度な息抜きを勧めてあげて下さい。
Q.部下がうつ病になりました。どのように接していけばよいのでしょうか?
A.まずは、治療につなげることです。家族が発病に気づいていなければ、家族と連絡をとりあい、仕事の負担を減らすか、症状によっては職場から一時離れ、自宅療養できる環境を作ってあげることです。患者さんには休んでも会社の運営には支障のない体制が作れることを強調します。