息切れ、動悸、胸痛、発汗、死や病気への恐怖などの激しい精神身体症状の発作を繰り返し、慢性に経過する疾患です。症状の再発を恐れる予期不安を伴うことが多いです。

心臓がドキドキし、脈が速くなる
息切れ、息苦しさ、ハーハーと息をする
息がつまる・窒息する
胸が痛い、苦しい、圧迫される
吐き気、腹部の不快感
めまい、ふらつき、頭がボーとする、気が遠くなる
手足や体のふるえ、発汗がある
自分が自分でないような感じ、現実感がない
今にも死んでしまうのではないかと思う
気が変になるのではないかという恐怖

以上のうち4項目以上の症状が出現する方はできるだけ早く専門家に相談しましょう。
パニック障害  Q&A
Q:パニック障害とはいったい、どのような病気なのでしょうか。
A:急激に発症するめまいや激しい動悸、呼吸困難といった身体的な症状とともに、いいようのない不安に襲われる「パニック発作」をくり返し起こす病気のことです。このような状態をパニック障害といいます。
Q:発作にはどのようなものがあるのですか?
A:呼吸困難、動悸、胸の圧迫感、汗が激しく出たり、身体が震えたりの症状が急に出てきます。経験したことがないほどの恐怖体験から「このまま死んでしまうのではないか?」と強く感じ、不安が不安を呼ぶ悪循環に陥り、いてもたってもいられなくなりします。パニック発作ではこれらの症状が何の前ぶれもなく突然起こりますが、大抵は30分以内でおさまります。
Q:とても恐いですね…。
A:でも、生命の危険は全くありません。
Q:パニック障害は治るのでしょうか?
A:はい、必ず治ります。しかし、継続的な根気が必要です。
Q:時間や場所なども発作と関係するのですか?
A:電車やバスの中、人混みの中、家に一人きりでいる時など、いつも決まった場所でパニック発作が起こりやすい人もいます。これを何回か起こしていると、「また発作を起こすんじゃないか?」と事前に恐怖感をおぼえるようになってしまいます。これを「予期不安」と呼んでいます。
Q:発作の原因は何ですか?
A:最近では、脳内の神経伝達物質が関係していることが解ってきました。、パニック障害では、この神経伝達物質の中の「セロトニン」と「ノルアドレナリン」のバランスが乱れることにより発症するのではないか、と考えられています。
Q:ストレスなどの影響もありますか?
A:パニックを防ぐにはストレスをためない事が必要です。ストレスがたまっていないかどうかは目に見えないだけに測定は難しいと思いますが、ストレスの恐さを知り解消方法を真剣に考える必要があります。おなじ体験をしてもパニックにならない人もいます。これは日頃からストレス解消をしストレスの溜まらない人です。1度の人生だから楽しくと思うと少しは気が楽かもしれません。
Q:適切な治療を受けるためには受診しなくてはならないということですね。
A:パニック障害は病院で適切な治療を受ければ必ず治る病気ですが、多くの人がパニック障害という病気を知らず、精神科、心療内科へ相談に行かないことも多いようです。パニック障害を放置していると慢性化することがあり、場合によってはこれが原因となってうつ病が発症してしまうことも珍しくありません。
Q:治療法について聞きたいと思います。
A:幸いパニック発作は薬物療法が効果的で、症状を比較的よくコントロールすることができます。最近では SSRI(パロキセチン・セルトラリン)が、依存性のないことと安全性が高いことからパニック障害の第一選択薬とされています。
Q:他の治療法は? 
A:パニック障害で重視されているのがカウンセリングによる認知行動療法です。パニック障害の人は、体の症状に神経質になってさらに不安を助長するという悪循環に陥っています。こうした悪循環を断ち切るために、新しい考え方を身につけたり、リラックス法などを学びます。 こうした薬の服用や認知行動療法などによって、多くの人はパニック障害を克服することができるようになります。
Q:薬の即効性はあるのですか?
A:SSRIは、発作に対して即効性は期待できません。漢方薬のように徐々に効果が現れ、発作を起こしにくくしてくれます。それまでの間は、即効性のあるベンゾジアゼピン系と呼ばれる抗不安薬を併用されることが多いのです。SSRI・抗不安薬それぞれの特性を理解し、使い分けて使用すると、ほとんどの患者さんは発作をコントロールすることができるようになり、普通に社会生活を送ることができています。
Q:症状を放置した場合、どうなるのですか?
A:過換気症候群・パニック障害を起こした人たちの多くが、症状を放置していると、うつ状態に移行していくと考えられています。確かに現在の薬物療法は根本的治療法とは言えませんが、心理療法と組み合わせることによってパニック障害の治療が行われます。
Q:では、どのような努力が必要ですか?
A:多くの患者さんは、治療を開始した頃は少しでも早く回復を望み、薬も医師の指示通りに服薬するのが普通です。しかし発作が出なくなり、症状が落ち着いてくると、自己判断で服用を止めてしまう方もいます。しかし、急に中断すると反動で症状が再発することがありますし、慢性化することもあります。主治医と相談しながら、大らかな気持ちで、治療にあたりましょう。
Q:パニック発作と似たような症状を起こす病気には、どのようなものがあるのですか?
A:かなりいろいろな病気があります。不整脈や狭心症では動悸や呼吸困難、強い不安感などパニック発作と似た症状が現れますし、ぜんそくによる呼吸困難も不安感の大きなものです。女性に多い甲状腺機能亢進症や低下症、月経前症候群や更年期障害もまぎらわしい病気です。
Q:完治とはどういうことでしょうか?
A:完治とは「薬なしで完全に自分をコントロールできるようになる」ということです。